ケース

実行ガバナンスの構築

実行ガバナンスとは、組織が自律的に機能し、戦略とプロジェクトの方向性が常に一致して、戦略の実行を担保する仕組みのことです。
適切な中期経営計画が策定された上で、戦略が正しく実行されていない組織の多くは、戦略に込められた経営層の意図と、現場の実行のベクトルを一致させる実行ガバナンスを持っていません。
そのような組織で、問題が起きている各プロジェクトなどを対症療法的に見るだけでは、また別のプロジェクトで同じ問題が発生してしまいます。
私たちは戦略と実行のベクトルを一致させ、組織が自律的に機能するガバナンスを構築する根治療法を提供します。

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実行ガバナンスを構築するプロセスで重要なのは、ステージごとに役割と責任を明確に定義し、それぞれのステージで共通認識を確立することです。
あらゆるプロジェクトは経営層の要求によって始まりますが、プロジェクトの内部でも複数の階層に分かれ、様々なやり取りが交わされています。実行のガバナンスが構築されていなければ、これらのやり取りの中で戦略とのズレが生じます。
また、多くのプロジェクトは非効率なコミュニケーションによって実行のスピードを落としてしまいます。各階層の役割や共通認識を確認してマネジメントのルールを整理すれば、進捗を妨げる細かい確認なども例外時を除けば不要になり、プロジェクトを自律的に進めることができます。
実行ガバナンスの体制を構築することで、要求と実行のズレを防ぎ、スピーディーな実行を可能にします。

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成熟度の評価

組織の実行の成熟度が、現在どのステージにあるか(初期段階→構造化段階→標準化段階→統合化段階→最適化段階)を評価します。

課題設定

成熟度を評価する中で出てきた問題点の解決や、次のステージに上るために必要な課題を設定します。

PJガバナンスの設計

実行やモニタリングなど、基本的なプロジェクト・マネジメントの方法論を全てカバーする仕組みとしてのガバナンスを導入し、その上で業務やプロジェクトの内容に合わせて、プロセスの仕立て直しを行います。

PL教育・オーナー教育

実行を牽引するプロジェクトリーダーの教育は、座学だけではありません。実際に立ち上がっているプロジェクトにコンサルタントが参加し、ともに実行を進める中で学びを深めます。また、現場のメンバーだけでなく、プロジェクトオーナーの教育も重要です。オーナーの要求がはっきりしないことで、現場が混乱してプロジェクトが失敗することも少なくありません。戦略を実現するために必要なこと、やりたいことを全メンバーが理解できる明解な言葉で語るためには、一定の技術が必要なのです。

実行モニタリング

戦略の実行を進める現場で、実行ガバナンスのプロセスが適切に守られているかをモニタリングします。

執筆者
芝本秀徳(しばもと・ひでのり)

株式会社プロセスデザインエージェント
代表取締役

ソフトウェアベンダーにてカーナビゲーション開発にプロジェクトマネジャーとして長く携わる。その後、パッケージ業務システムの企画、開発、セールスに一貫して関わるプロダクトマネジャーとして現場を指揮。

現在は一部上場企業をはじめ、幅広い業種を対象に、戦略策定と実行システムの構築、DX組織変革など、経営と現場に深く寄り添いながら人と組織の「実行力」を高めるコンサルテーションを展開。経営層と現場をつなぐファシリテーションに定評がある。


著書 『プロジェクトマネジャーのためのプロセスデザイン入門』『誰も教えてくれない 考えるスキル』(日経BP社)『リーダーになったら最初に読む プロジェクトを成功させる技術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など、多数。

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